子宮内膜症になることで、妊娠しにくいケースはあるとされています


子宮内膜症は、子宮の内側以外の部位に内膜に似た組織が増殖する病気です。
組織ができる部位や増殖の仕方などによって、子宮内膜症は5つの種類に分けられます。

子宮内膜症になると、卵管が詰まるなど妊娠しにくい状態を招く可能性があります。
しかし早期に発見して治療を行うことで妊娠の可能性はまだ残されています。

月経痛がひどくなるなど子宮内膜症の症状が当てはまる場合は、早めに病院を受診することが大事です。

子宮内膜症が悪化すると、妊娠に影響するリスクが高まるとされています

通常、子宮内膜というのは子宮の中だけに存在するものです。
子宮内膜症とは、この内膜に似た組織が何らかの原因で腹膜や卵巣など子宮内以外の場所に発生して、広がっていく病気です。

進行段階が4つに分けられており、1期は組織が増殖し始めた段階で、2期では組織が増殖と剥離を繰り返しながら血液の塊が大きくなります。
3期になると組織が硬くなって周囲の臓器に癒着し、4期になると臓器が見えなくなるほど、癒着がさらに広範囲に広がります。

子宮内膜症には種類が5つほどあります。
1つ目に、腹膜に発生する腹膜子宮内膜症が基本的な病変だとされています。
2つ目が、卵巣内で組織が増殖して袋をいくつも作り、中に焦げ茶色の血液が溜まり膨らむ状態が卵巣チョコレート嚢胞です。

3つ目は腹膜に少し入り込んだ位置に組織が増殖する深部子宮内膜症で、子宮と直腸の間にできやすいとされています。
4つ目が子宮筋層の中に組織ができる子宮腺筋症、5つ目が肺や直腸などの他の部位に組織ができる他臓器子宮内膜症があります。

子宮内膜症を発症すると、臓器が癒着して卵管が塞がり卵子や受精卵が通れなくなり、受精や着床の障害となる可能性があるので不妊のリスクも高まります。
卵管を塞いでいなくても、卵子が育ちにくいなど子宮内膜症が不妊を招く可能性があると考えられています。

子宮内膜症は早期発見し、治療すれば、妊娠の可能性もあるとされています


子宮内膜症は早期発見を行い、適切な治療を行えば十分妊娠できる可能性は残されています。
そもそも子宮内膜症の原因は、月経で体外に排出される血液が逆流して卵管へと流れ込むという説や、病変である細胞が血液によって他の臓器に運ばれるといった説などがあります。

原因がはっきり解明されていないのが現状ではありますが、手術もしくは薬物療法によって改善されるというケースが一般的です。
手術では、進行度合いにより病変部位の切除範囲が異なります。

また薬物療法では薬によって閉経状態を作る、もしくは妊娠状態を作り、排卵や月経を一時的に止めることで病気の進行もストップさせるという方法をとります。
ただ薬物の投与をやめると、再発を繰り返す可能性もあります。

病巣を手術で除去しても、やはり再発のリスクはゼロではないため、術後の薬物療法が必要となる場合もあります。
子宮内膜症は、高齢出産により出産する年齢が上がったり、出産回数が減ったりした現代では、昔よりも発症数が増えています。

というのも昔は20代で妊娠する女性が多く、妊娠で一時的に月経や排卵が止まると病気の進行もストップし、自然治癒していたからだと考えられています。

子宮内膜症の症状に当てはまったら、早めに病院を受診することが大事です

子宮内膜症は原因ははっきりわからないので、予防するのは難しいとされています。
しかし早期に発見し、進行する前に治療を行えば妊娠の可能性はあるので、当てはまる症状がないかをまずチェックすることが大事です。

子宮内膜症を発症すると、主に月経の状態に変化が見られます。
まず主な症状として多いのが、月経痛です。

月経の回数を重ねるごとに、以前よりもどんどん痛みが増していくのが特徴的です。
さらに1回の月経の期間が長くなったり、経血量が増えたりする場合があります。

また月経時以外の出血が増え、頻繁に腹痛や腰痛が起こりやすくなります。
排尿や排便に関しても異変が見られ、頻尿になることや逆に尿意を感じても尿が出にくい、便秘もしくは下痢を繰り返すといった症状が出ることもあります。

ほかにも性交時に痛みがある、頭痛や吐き気、嘔吐や発熱、めまいや動悸、貧血などが起こるケースもあります。
もちろん当てはまらない症状があり、症状の程度には個人差はあります。

また子宮内膜症以外の病気の可能性も考えられます。
自身の体に上記のような症状があれば、できる限り早期に婦人科を受診したほうがよいと言えます。

(まとめ)子宮内膜症になると妊娠しにくいって本当?

1.子宮内膜症になることで、妊娠しにくいケースはあるとされています

子宮内膜症を発症すると、卵管が詰まるなど妊娠を妨げる状態を招くリスクがあると考えられています。

しかし早期に発見して治療を行うことで病状が改善し、妊娠の可能性はあるとされています。

2.子宮内膜症が悪化すると、妊娠に影響するリスクが高まるとされています

子宮内膜症は、子宮内以外に内膜のような組織が増殖する病気で、進行段階が4期に分けられています。

また組織ができる部位などで5種類病気があり、発症すると妊娠しづらい状態を招く可能性があります。

3.子宮内膜症は早期発見し、治療すれば、妊娠の可能性もあるとされています

子宮内膜症の原因ははっきり解明されていませんが、手術と薬物投与で治療が行われます。

再発のリスクはありますが、悪化する前に早期に治療すれば、妊娠できる可能性はあると考えられています。

4.子宮内膜症の症状に当てはまったら、早めに病院を受診することが大事です

子宮内膜症は、月経痛がひどくなる、経血量が増える、腹痛や便秘などの症状があります。

当てはまる症状があったり体に異変を感じたりしたら、早期に病院を受診したほうがよいと言えます。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師