不妊の原因によってはホルモン剤が必要です


不妊治療でのホルモン剤と聞くと、副作用が心配になる方もいるでしょう。
原因によってはホルモン剤が必要となることがあるため、確認が必要です。

ホルモン剤の使用は、黄体機能不全・無排卵・多嚢胞性卵巣症候群・人工授精の際に必要なことがあります。

薬を使うことで不妊となっている原因を取り除いたり、妊娠しやすくしたりするものです。

不妊で排卵しにくい方は多嚢胞性卵巣症候群の治療が必要です

不妊の排卵障害のなかでも、多嚢胞性卵巣症候群は多くみられています。
卵巣の中で卵胞が成熟しきれず、排卵しにくくなるものです。

多嚢胞性卵巣症候群だと診断されても軽度なものが多く、検査や治療をしていくことで排卵ができるようになります。

症状は、月経不順・多毛・ニキビ・声が低くなるなどの症状です。
多嚢胞性卵巣症候群の原因はよくわかっていませんが、糖代謝異常が指摘されています。

脳下垂体からのホルモンバランスが乱れて、卵胞がうまく育たない可能性があるものです。
多嚢胞性卵巣症候群だと診断され妊娠を希望する場合は、排卵誘発の治療が必要です。

最初は経口投与からはじめ、飲み薬で効果が出なければ注射による排卵誘発が必要となってきます。
経口剤で効果が出ないのは30~40%の割合で存在しているためです。

注射で排卵誘発する場合は、卵巣過剰刺激症候群になることがあるため注意しながら治療をします。
妊娠を希望されない場合は、カウフマン療法や低用量ピルなどを服用します。

または糖代謝に異常がある場合は、インスリン抵抗性による糖尿病治療薬を使うことも可能です。

多嚢胞性卵巣症候群は肥満や糖代謝とも関係があるといわれているため、体重を適切に管理し、甘いものを大量に食べるのを避けてみましょう。

着床障害や初期流産がある場合もホルモン剤がおすすめです


受精卵が着床しにくい、初期流産を何度もおこしている場合は、黄体機能不全の可能性があります。
黄体ホルモンの分泌量が不足しているため、子宮内膜への変化がみられず、受精卵が着床する環境が整っていません。

ホルモン剤により黄体ホルモンを補充する方法を利用すれば、妊娠しやすくなるでしょう。
黄体機能不全の目安は、生理周期が短い、経血が少ない症状です。

排卵がおきても黄体がすぐに委縮してしまい、短い期間で生理がきます。
毎月生理がきていても、1日目や2日目で経血が明らかに少ないときは注意してみましょう。
黄体機能不全の原因は、ホルモンバランスの乱れからおきています。

卵胞刺激ホルモンが足りなければ卵胞が十分に育たず、黄体ホルモンが不足すれば卵胞が未成熟となって排卵しにくくなるでしょう。

黄体機能不全は子宮内膜の厚さで診断ができます。
8mm以下のときは黄体機能不全の可能性があるでしょう。

さらに血液検査で黄体ホルモンの値が少なくなっているか調べます。
不妊の原因が黄体機能不全だとわかったら、黄体ホルモンを補充する治療を開始します。

経口剤や注射で投与する方法です。
飲み薬のほうが作用はゆっくりで、注射は即効性があります。
注射による治療は排卵前後を狙って数日受診する方法です。

ホルモン剤は不妊の症状や副作用を考慮し調節が可能です

不妊治療のホルモン剤といっても種類があるため、不妊症の症状や副作用を考慮しながら調節が可能です。

黄体ホルモン剤は、ルトラールなどの飲み薬があります。
飲み薬は来院の必要がなく、副作用は基本的にないため安心して使える薬です。

プラノバールやソフィアのようなピルは、エストロゲンとプロゲステロンの両方を補充する方法で、黄体機能を維持します。

飲み薬で来院の手間はありませんが、胃痛や吐き気などの副作用が5%程度あります。
黄体期を保つ薬はウトロゲスタン、ルティナスのような膣座薬もあります。

自費のため治療費が高めで、膣座薬は苦手な方もいるでしょう。
一方で黄体期を十分に保つことができるのが特徴です。

hCG注射はプレグニール、hCGモチダなどです。
プロゲステロンの生成に役立つ薬ですが、筋肉注射のため痛みを感じることがあります。

ほかにもエストロゲンやプロゲステロンを補充する薬は即効性がありますが、筋肉注射で痛みを感じやすいでしょう。

黄体ホルモン注射も即効性がありますが、筋肉注射で痛みを伴う可能性があります。
排卵誘発剤のホルモン剤では、経口薬や注射薬があります。

それぞれメリットとデメリットがあるため、治療薬の使用方法や副作用を考慮したうえで、適切な薬を医師と相談しながら選んでください。

(まとめ)不妊にホルモン剤は必要ですか?

1.不妊の原因によってはホルモン剤が必要です

不妊のなかでも、黄体機能不全・無排卵・多嚢胞性卵巣症候群・人工授精の際にはホルモン剤が必要なことがあります。

どの場合も不妊の原因を取り除いたり、妊娠しやすくしたりするためです。

2.不妊で排卵しにくい方は多嚢胞性卵巣症候群の治療が必要です

卵巣内で卵胞が成熟できず排卵しにくくなる多嚢胞性卵巣症候群では、ホルモン剤の治療が必要です。

飲み薬や注射による排卵促進で治療をすると、妊娠の可能性が高まるでしょう。

3.着床障害や初期流産がある場合もホルモン剤がおすすめです

受精卵が着床しにくく、初期流産を繰り返しているなら、黄体機能不全を疑う必要があります。

生理周期が短く、経血も少なくなります。
飲み薬や注射を利用して黄体ホルモンを補充すると、妊娠しやすくなるでしょう。

4.ホルモン剤は不妊の症状や副作用を考慮し調節が可能です

黄体ホルモンを補充する薬には飲み薬と、膣座薬・注射薬に分かれています。

飲み薬は来院の必要がなく副作用リスクがなく、注射薬は即効性がありますが筋肉注射で痛みを感じる恐れがあるでしょう。
それぞれの効果やリスクを比較して選ぶことができます。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師