体質改善は不妊治療をサポートする手段です


不妊治療の体外受精は質のよい卵子を取り出し、育ちやすい子宮環境に置くことにより成功率が高まるものです。

体質改善する際には、卵子の質を高めることや、子宮環境を妊娠に適した状態にすることなどをポイントにしましょう。

体質改善を行うだけで妊娠できるとは言えませんが、適切な治療との掛け合わせによって、相乗効果を発揮することはあると言えるでしょう。

体質改善では卵巣への血流を促すことを重視します

卵巣への血流がよくなることで妊娠しやすい体質になると考えられます。

全身の血流が悪くなると卵巣内の環境も影響を受けて、卵子の発育が悪くなり、体外受精に適した卵子を採れなくなるリスクがあるためです。

適度な運動や栄養バランスのとれた食事で血行を促進し、冷えない身体を作りましょう。
体調がよい日には、適度な有酸素運動をおすすめします。

1日あたり40~60分を目安に近所を散歩してみましょう。
激しい運動よりも適度な負荷が望ましいため、ムリをする必要はありません。

通勤や買い物を徒歩に変えるだけでも、一定の効果が期待されます。
食事の工夫は、栄養バランスを過不足なく取り入れることが基本です。

脂質が多い食事や砂糖が多い間食に偏らないように、栄養バランスを計算します。
エネルギーが足りないと血流が滞ることもあるため、過剰なダイエットは控えてください。
不足している栄養素が見られる場合は、医療機関からサプリメントの提案がなされるケースもあります。

アドバイスにしたがって必要な栄養素を補給しつつ、妊娠しやすい身体作りに努めましょう。

ストレスを溜めないことも大切です


ストレスが血行を悪化させて、妊娠しにくい体質に傾いてしまうこともあります。
疲れたタイミングでは仕事や家事はほどほどにして、ストレスを溜めないライフスタイルへと切り替えましょう。

体外受精に限ったことではないのですが、不妊治療には先が見えないストレスが伴うものです。
なかなか妊娠できない自分に苛立つばかりで、憂鬱気分を解消できなくなる人もいます。
生活のすべてを不妊治療中心に考えると気が焦るばかりですから、気分転換する時間を意識的に作りましょう。

おすすめの気分転換方法は、ヨガやストレッチで身体を動かす習慣です。
自宅に閉じこもってばかりいて憂鬱になった時こそ、スポーツジムやヨガスクールに行ってみましょう。

夫婦が向き合う時間を持つため、休日に小旅行をするのもよい気分転換になるものです。
不安に感じていることや焦る気持ちをパートナーに話すだけでも、心が軽くなるケースはあります。
どうしても不妊治療が嫌になってしまったら、1ヶ月くらいお休みして、リフレッシュするのも一案です。

心身ともにすっきりした状態から体外受精に取り組めば、よい結果が生まれるかもしれません。

夫婦そろって禁煙をおすすめします

本気の体質改善なら、タバコを卒業してください。
喫煙習慣がある女性は非喫煙者と比較して、2割程度も体外受精に成功率が下がるとするデータがあります。

男性の喫煙は精子の妊娠させる力を妨げるとする声もあり、夫婦そろって禁煙がおすすめです。
喫煙を続けていると胎児の低体重リスクが高まるなど、授かる子供への影響も懸念されます。

母子ともに健康で出産の日を迎えるためにも、早い時期からの禁煙を考えましょう。
自分の意思だけでは禁煙できないようなら、禁煙外来を活用する方法があります。

不妊治療中でも使える禁煙薬もあって、ニコチン中毒でもムリなく禁煙できるようなサポートを受けましょう。

禁煙薬とは、ニコチンが入ってこなくてイライラする症状を緩和し、タバコを吸ってもおいしく感じないようにする効果があるものです。
禁煙成功までの期間には個人差がありますが、3ヶ月程度が目安とされます。

不妊治療を行っている医療機関で禁煙外来を設けていれば、合わせて相談してみましょう。
不妊治療で出されている薬と禁煙薬を合わせて把握してもらうことで、副作用の心配もなくなります。

(まとめ)不妊治療を行いながらの体質改善って必要?

1.体質改善は不妊治療をサポートする手段です

体質改善することで不妊治療の成功率を高めることができるので、挑戦できることがあれば意識的に変えていきます。

治療効果との相乗効果が得られればよい結果につながりやすく、妊娠をサポートできるはずです。

2.体質改善では卵巣への血流を促すことを重視します

適度な有酸素運動と栄養バランスのとれた食事で血行を促進します。
卵巣への血流がよくなることで質がよい卵子が育ち、体外受精の成功率が高まるケースもあるためです。

食生活を改善するためにサプリメントを活用するのもよいでしょう。

3.ストレスを溜めないことも大切です

ストレスが溜まると血行が悪くなる原因ですから、仕事や家事、不妊治療のイライラを上手に発散させてください。

不妊治療で行き詰まってしまった時には夫婦の対話を大事に考え、2人で過ごす時間を作ってください。

4.夫婦そろって禁煙をおすすめします

喫煙習慣があると体内受精の成功率が下がるうえに精子の質にも影響するため、夫婦そろって禁煙しましょう。

医療機関の禁煙外来を活用すると、ムリなくタバコを止める手助けになります。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師