不妊治療の血液検査は血中ホルモン量や甲状腺疾患を調べるものです


不妊治療で行う血液検査は、血中のホルモン量や不妊の原因となる甲状腺疾患の有無などを調べます。
クラミジア感染症も不妊の原因の1つとされるため、血液検査段階で調べておくのが一般的です。

血液検査で甲状腺疾患やクラミジア感染症が見つかった場合には、本格的な不妊治療を始める前に優先的な対応が必要とされます。

血中ホルモン量の検査は複数回に分けて行います

血液検査は1回で終わるものではなく、数回かけて計測することになります。
働きながら不妊検査を受ける人にとっては負担に感じる行程ですが、生理周期に合わせて変化する血中ホルモン量をそれぞれ計測するために、避けられないステップです。

毎回の血液検査自体は採血をするだけなので数分あれば終わるのですが、それぞれに意味があります。
指示された通りの日程で通院しなければ検査がきちんとできないので、スケジュール管理に気をつけましょう。

生理から7日目頃の低温期には、卵管に関する血液検査を行います。
14日目頃の排卵期には排卵日予測に関する検査が必要です。
月経から21日目頃の高温期では、黄体ホルモンに関する数値がわかります。

ちょうど月経にあたる28日目あたりに行うのは、卵巣刺激ホルモンや黄体化ホルモンの基準値を調べるための検査です。
ひと通りの数値をチェックしてトラブルが見つかった場合には、ホルモン負荷検査を行うケースもあります。

特定ホルモンを注射した後に血液検査を行い、前後の数値を比較することによって、排卵障害の原因を調べるためのものです。

LH・FSH・エストロゲンが検査項目の具体例です


血液検査で調べるホルモン値の具体例を大まかに見ておきましょう。
LHですが、脳下垂体で分泌されて卵胞を成熟させたり排卵を促したりする黄体化ホルモンです。

LHの数値が7以上かつFSHの数値より高い場合は、多嚢胞性卵巣症候群を疑います。
多嚢胞性卵巣症候群とは、ある程度まで育った卵胞が排卵されず、卵巣内に残ってしまった状態です。
残っている卵胞を排出しようと働きかけることにより、LH数値が高くなります。

つぎにFSHについてです。
FSHとは、卵巣で卵胞を発育させる卵巣刺激ホルモンにあたります。
基礎値が1桁代になるのが正常で2桁以上になると卵巣性無月経が疑われるため、不妊治療の方針を決める際に役立つものです。

必要以上に卵巣刺激ホルモンの影響を受け続けた卵巣は疲れてしまって、反応が鈍くなってしまいます。
排卵誘発剤を使っても卵胞が育ちにくいようなら、卵巣機能を休ませる治療が検討される流れです。

またFSHはエストロゲンへの影響が大きなホルモンです。
エストロゲンは卵子の成長を助けるだけでなく、精子を受け入れるように準備をしたり着床しやすい状態にしたりと重要な役割をはたしています。

AMHは体外受精の判断に役立ちます

抗ミューラー管ホルモン(AMH)を調べることにより、卵巣の年齢がわかります。
他のホルモンと違っていつでも調べることができて、体外受精が必要かを判断する材料になる数値です。

体外受精にステップアップする際に調べることもある数値ですが、35歳以上の治療開始など決断を急ぎたい状況では、最初の検査で調べておく方法がとられます。

AMHで卵巣の年齢がわかる理屈は、発育途中の卵胞の周りからでる特徴があり、どのくらいの卵子が残っているかを知るヒントになるためです。

2~4が正常値で、1以下だと自然妊娠は難しいと判断されるケースが目立ちます。
卵子の数が少なくても体外受精を行うことにより妊娠できる人はいるので、諦めることはありません。
ピルの服用など質がよい卵子を育てるように対策を行い、採卵に向けた準備を進める選択肢もあります。

数を採ることより少数でも良質な卵子が妊娠につながりやすく、体外受精の成功率を高めるためのポイントです。
AMH数値が基準値を下回っていたら、可能な選択肢に関するアドバイスを聞いてみましょう。

(まとめ)不妊治療の血液検査でわかる項目とは?

1.不妊治療の血液検査は血中ホルモン量や甲状腺疾患を調べるものです

血液検査で調べる項目は、血中のホルモン量や甲状腺疾患の有無です。

クラミジアや甲状腺疾患が見つかった場合は不妊治療を始める前に治療することとなるため、早い段階で調べるべき項目にあたります。

2.血中ホルモン量の検査は複数回に分けて行います

血中のホルモン量は常に一定というわけではなく、複数回に渡って検査を行うことになります。

生理周期に合わせて分泌されるホルモンが変わっていき、スケジュールを調整する必要があるため、指示通りに通院しましょう。

3.LH・FSH・エストロゲンが検査項目の具体例です

検査するホルモンの具体例として、黄体化ホルモンや卵巣刺激ホルモンが挙げられます。

黄体化ホルモンが多いと多嚢胞性卵巣症候群が疑われる、卵巣刺激ホルモンが多すぎると卵巣性無月経のリスクがあるなど、重要な情報を含むためです。

4.AMHは体外受精の判断に役立ちます

抗ミューラー管ホルモン(AMH)は、体外受精を始める時に調べることもあれば、早い段階で検査しておくこともあります。

卵巣年齢を教えてくれる指標にでき、体外受精の必要があるかを考える際に必要となる数値です。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師