不妊治療中のめまいは薬の副作用か妊娠初期の症状の可能性があります


不妊治療中にめまいがするときには排卵誘発剤の副作用の可能性があります。
不妊治療中はホルモンバランスや体調が変化するため、めまいが起きることもあります。

また妊娠初期の症状としてめまいが起こることもあるため、不妊治療中は自分の体調の変化に気を配るようにしましょう。

そのほか、鉄不足もめまいの原因になるため、妊娠する前から鉄を積極的に摂取するようにおすすめします。

不妊治療中に処方された薬でめまいが起きることがあります

不妊治療をするときにまず重視されるのが排卵がうまくいっているかどうかです。

基礎体温が妊娠しやすい形になっていない時や、排卵がきちんと行われていない時には原因を調べてから治療に進むことになるでしょう。

排卵は間脳の視床下部を起点としてさまざまな流れで、ホルモン分泌されることで促進されます。

これらの性ホルモンの流れをチェックしてどこに問題があるか探り、薬などを使って流れを整えることで排卵をスムーズに進めます。

ただし排卵を誘発するために使われる薬には副作用があるものもあります。
たとえば無排卵症などの治療に使われる経口薬セキソビットの副作用には、めまい・眼精疲労・嘔吐・便秘などの副作用があります。

また卵巣刺激ホルモン剤(hCG製剤)の副作用としても、めまい・うつ・疲労感を覚えるなどの症状があらわれます。

不妊治療中は一度に何種類かの薬が処方されることもあります。
同時に複数種類の薬を飲むことで相互作用が起こり、予想していない副作用が起こることも考えられます。

不妊治療中に薬の処方を受けるときには必ずほかに服用している薬を医師に申し出るようにしてください。
また副作用が強く出た場合は医師に相談しましょう。

妊娠初期の症状としてもめまいがあります


めまいは不妊治療中に限らず、生活の中で起こりやすい症状です。
めまいにはぐるぐる目が回る回転性めまいのほか、フラフラと倒れてしまう浮動性めまいなどの種類があります。

その原因は、三半規管・目・首であると言われています。
回転性のめまいは三半規管や脳の障害と言われていますが、浮動性のめまいは脳の異常のほかに血圧が原因で起こることもあります。

さらに妊娠初期の症状としてもめまいが挙げられます。
これはホルモンバランスの乱れや鉄欠乏症貧血が原因と考えられます。

妊娠するとホルモンバランスが乱れるとともに、循環する血液量が減って血が薄まることがあります。

また胎児に送る栄養が増えることも、めまいの引き金になると考えられます。
貧血になると、立ちくらみ・動悸・息苦しさを感じて立ち上がれなくなって入院が必要になることもあります。

貧血は日々少しずつ進行するため症状を自覚しにくく、もともと貧血気味だという人は妊娠してめまいを起こしても、妊娠に気が付かないこともあります。

不妊治療中はめまいのほか、だるさ・疲れやすさなどの細かい体調の変化にも気を配るようにしましょう。

鉄欠乏を防ぐために不妊治療中から鉄を摂取しておきましょう

女性には毎月生理があり、そのたびに鉄が失われています。
その結果として妊娠できる年齢の女性は、ほとんど鉄が足りていないとも一説に言われています。

体内の鉄は60~70%がヘモグロビンとして、残りやフェリチンという形でストックされます。
生理などで出血した時に消費されるのがフェリチンです。

毎日の食事から再度鉄が補充されれば問題ありませんが、その後足りない状態が続くとヘモグロビンの値が高くてもフェリチンの値が低い貯蔵鉄が少ない状態になってしまうのです。

この値が低いと卵子の質にも影響を与え、妊娠しにくくなると言われています。
そのほかにも、めまい・肩こり・抑うつ感など鉄不足は心身に影響を与えます。

フェリチンの値を上げるには鉄を多く含む魚や肉を十分に食べるとともに、鉄の吸収をよくする、タンパク質・ビタミンC・ビタミンEを摂取するようにしましょう。

鉄不足を解消するには普段の食事がもっとも重要ですが、サポートとしてサプリメントを使ってみてもいいでしょう。
まずは普段の食事を見なおして鉄不足になっていないか考えてください。

(まとめ)不妊治療でめまいが生じることがあるって本当?

1.不妊治療中のめまいは薬の副作用か妊娠初期の症状の可能性があります

不妊治療中は排卵誘発剤が処方されるため、めまい・頭痛などの副作用が起きることもあります。

副作用が強く出た場合や、めまいやふらつきで日常生活に支障をきたすときには医師に相談してみましょう。

2.不妊治療中に処方された薬でめまいが起きることがあります

不妊治療中は排卵を促進して妊娠しやすい身体にするために複数の薬が処方されることがあります。

めまい・下痢・嘔吐などは排卵誘発剤の副作用として起きることもあるでしょう。

3.妊娠初期の症状としてもめまいがあります

妊娠の初期症状としてもめまいがあります。
妊娠すると血液量が増えて血が薄まるとともに、胎児に栄養を送るために貧血を起こすことがあります。

不妊治療中はいつ妊娠しても問題がないように体調に気を配りましょう。

4.鉄欠乏を防ぐために不妊治療中から鉄を摂取しておきましょう

毎月生理がある女性の多くが鉄不足になっていると言われています。
鉄不足になることでめまいや肩こりなどを引き起こすほか、不妊治療にも悪影響だと考えられます。

肉や魚など鉄不足を補うことができる食品を積極的に摂取するようにしましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師