不妊治療ではメトグルコを多嚢胞性卵巣症候群の治療薬として用いることがあります

メトグルコとは、一般的には糖尿病の治療薬として使用されている薬ですが、インスリン抵抗性の改善をサポートし排卵機能を高めるとして、多嚢胞性卵巣症候群の治療目的で使用されることがあります。

メトグルコは稀に乳酸アシドーシスのような重篤な副作用が表れることもある薬であるため、処方された用法や用量を正しく守ることが大切です。

糖尿病の薬を不妊治療の治療薬として使用することがあります

不妊治療といっても、不妊になる原因や体の状態がさまざまで異なります。
不妊治療では、不妊の原因と考えられる症状に対して、1つずつ対処しながら治療をすすめます。

一般的な風邪症状の際に処方されるような薬ではない、聞き慣れない名前の薬や注射を使用することもあります。
そのうちの1つに「メトグルコ」という薬があります。

メトグルコは2型糖尿病の治療薬として使用されることが多く、糖の生成を抑えて血糖値を低下させる働きがあります。
不妊の原因はさまざまですが、そのうちの1つに多嚢胞性卵巣症候群というものがあります。

多嚢胞性卵巣症候群とは、卵胞の発育が抑制され、卵巣内に排卵されずに残った卵胞が多数ある状態になることで、月経周期の不順や無月経を引き起こします。

多嚢胞性卵巣症候群の原因はまだすべて解明されていませんが、排卵障害にインスリン抵抗性が関係しているということが分かってきました。

インスリン抵抗性が原因となっている多嚢胞性卵巣症候群の場合、同じくインスリンの効果が出にくくなる2型糖尿病の治療薬であるメトグルコが効果を発揮するというわけです。

メトグルコは稀に重篤な副作用が出ることもあるため注意が必要です。


不妊治療で使用する薬に限らず、どのような薬にも効果と副作用があります。
副作用の種類や程度はそれぞれの薬によって異なり、薬を服用する場合は、必ず効果だけでなく、副作用も知っておくことが大切です。

メトグルコの場合主な副作用としては、下痢・吐き気・発疹・かゆみ・食欲不振・腹痛などの消化器系に関わる症状が現れることがあります。

通常は少量から服用をスタートし、急激に強い副作用が出ることはあまりありませんが、ごく稀に乳酸アシドーシスと呼ばれる状態になることがあります。

乳酸アシドーシスは、血中の乳酸が多くなりすぎ血液が酸性化してしまうことで起こり、意識障害や昏睡状態につながり、重症化するとショック状態に至ることがあります。
乳酸アシドーシスは、腎機能障害がある場合や、多量の飲酒時、その他の感染症がある場合に発症しやすいとされています。

メトグルコを主治医から処方された場合には、用法や用量などを確認し、主治医から説明を受けた服用に関して注意点などをきちんと守るようにしましょう。

多嚢胞性卵巣症候群は血液検査や超音波検査で診断します

不妊治療を始めると、不妊の原因を調べるためにさまざまな検査を受けるところからスタートします。
多嚢胞性卵巣症候群の場合は、血液検査や超音波検査で診断します。

血液検査では、血中のホルモン値に異常があった場合に、ホルモン負荷試験を行いより詳しい内容を調べます。
超音波検査では卵巣の様子を超音波で検査し、卵胞の数を確認します。
状態によっては、腹腔鏡下手術で卵巣の一部を取り、顕微鏡検査で調べるケースもあります。

多嚢胞性卵巣症候群はまだ解明されていない部分を残す症状ですが、原因には内分泌異常や糖代謝異常が関係しているのではないかと考えられています。

セルフケアとしては、肥満の改善や糖分の摂取過多になりすぎないように食生活を改善することが有効なのではという意見もあります。

バランスのとれた食事は、多嚢胞性卵巣症候群に限らず健康な体作りには重要なポイントとなるため、セルフケアを取り入れたい場合には、バランスの取れた食事を工夫することから始めることがおすすめです。

(まとめ)不妊治療で使われるメトグルコとは?

1.不妊治療ではメトグルコを多嚢胞性卵巣症候群の治療薬として用いることがあります

糖尿病の治療薬として使用されているメトグルコという薬を、多嚢胞性卵巣症候群の治療薬として使用することがあります。

メトグルコは稀に重篤な副作用が出ることがあることで知られているため、主治医の指示を守って服用しましょう。

2.糖尿病の薬を不妊治療の治療薬として使用することがあります

インスリン抵抗性が原因となり、多嚢胞性卵巣症候群を引き起こしていると考えられる場合には、2型糖尿病の薬「メトグルコ」が有効に働くことがあります。

多嚢胞性卵巣症候群では、メトグルコの服用で排卵率が上昇するケースがあります。

3.メトグルコは稀に重篤な副作用が出ることがあるため注意しましょう

メトグルコは稀に乳酸アシドーシスと呼ばれる重篤な副作用症状が出る場合があります。
とくに腎機能障害や多量のアルコール摂取、他の感染症がある場合に出やすいとされます。

メトグルコは処方の際に受ける注意点を守って、安全に服用するようにしましょう。

4.多嚢胞性卵巣症候群は血液検査や超音波検査で診断します

多嚢胞性卵巣症候群は血液検査でホルモンの状態を調べたり、卵巣の超音波検査で卵巣の状態や卵胞の数を確認したりすることで診断します。

多嚢胞性卵巣症候群は解明された症状ではありませんが、原因には内分泌異常や糖代謝異常が関係していると考えられています。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師