閉経後に不妊治療を行う事はできますが妊娠に至るのは難しいと考えられています


ある調査では閉経後に不妊治療を行っても、妊娠に至る事は難しいと回答した医師の割合が多くなっています。
体外受精や胚移植であれば可能性はゼロではないという意見もありますが、自然妊娠はまず難しいとする見方が大半を占めています。

無月経に至った原因によっては卵巣が再び機能し始め、月経が再開するケースもありますが、無月経の状態が1年以上続いた後に妊娠する可能性は低いと考えられています。

無月経か早期閉経かによっても妊娠の可能性が変わってくるので、もし月経が止まっても閉経を迎えたと自己判断せずに、クリニックへ受診することがおすすめです。

早期閉経の場合の妊娠は困難であると考えられています

早期閉経と医師から診断された場合、妊娠する可能性は少ないと考えられています。
12ヶ月以上月経が訪れないと閉経したと診断されますが、通常は50歳前後で迎える事が多く、早期閉経の場合は40歳未満で閉経する事を指します。

30歳になるまでの間で1000人に1人、40歳になるまでの間では100人に1人の割合で早期閉経を迎えていると言われています。
早期閉経は卵巣機能が完全に停止しており、排卵がまったくされないという状態です。

妊娠するためには排卵される事が条件となるため、早期閉経の場合は妊娠するのが難しいと考えられています。

しかしながら早期閉経と診断された後に卵巣機能が回復したケースもあり、早期閉経については医学的に不明な点も多く、さらなる研究が進められています。

早期閉経の不妊治療では、ホルモン剤の投与によって排卵を促すか、体内に卵子が残っているうちに採卵し、体外受精を行う方法などがあります。

閉経直後であれば原始卵胞がまだ残っている可能性が高いので、不妊治療専門のクリニックを早めに受診する事が大切です。

早期閉経によく見られる症状として、頭痛やめまい・不眠・疲労感・集中力の欠落など、更年期障害に似た症状があります。
日頃から体調のチェックを怠らないようにしましょう。

無月経は自然回復する可能性があるとされています


同じ月経が訪れないという症状でも、早期閉経と無月経には違いがあります。
早期閉経が卵巣機能が完全に停止しているのに対し、無月経は卵巣機能が休止している状態です。

また早期閉経は自然回復が困難であると考えられていますが、無月経の場合は原因を取り除く事によって、月経が再開される可能性があるとされます。

初潮を迎えたばかりの頃や、妊娠・授乳中の間は月経が来なくても不自然ではありませんが、妊娠を望む性成熟期の女性に月経がない場合は無月経の疑いがあります。

18歳になっても月経がない、あるいは3ヶ月以上月経がない場合は、無月経の可能性が高いので、クリニックを受診して治療を受けることになります。
無月経は放置すればするほど悪化しやすく不妊に繋がります。

無月経の不妊治療は、排卵機能に原因がある場合は排卵を促すためのホルモン治療を行います。
なんらかの病気が関係しているのであれば、その病気に対して治療をする事になります。

月経のリズムを改善するための食生活を心がけましょう

閉経そのものは病気ではなく、女性であれば誰もがいつかは迎えることです。
しかし一般的に閉経を迎えるはずのない年齢で迎えてしまうと、妊娠を望んだ時に子供を授かることが難しくなってしまいます。

このような事態が起こるリスクを少しでもなくすためにも、日頃から月経周期に心を配り、正常なサイクルで月経が訪れるような身体づくりを目指しましょう。

月経を正常なサイクルに整えるには血液を作るもととなり、血液の循環がよくなる栄養素を摂ることが効果的です。

次に挙げる栄養素が効率よく摂取できるように食事メニューを考えてみましょう。

  • タンパク質
    女性ホルモンや血液、臓器などを作る働きがあります。
  • ビタミンB群
    エネルギー代謝に関わり、女性ホルモンの働きを助けます。
  • ビタミンE
    黄体ホルモンの生成を助け、生殖機能を維持する効果があります。
  • 葉酸
    赤血球を生産し、月経前の不調を和らげる効果が期待できます。

月経が止まってしまった時は原因を見つけるためにも、早めにクリニックを受診してください。

(まとめ)閉経後に不妊治療を行う事はできる?

1.閉経後に不妊治療を行う事はできますが妊娠に至るのは難しいと考えられています

医師の間では閉経後に妊娠する可能性は低いとする意見が多い一方で、閉経を迎えたと思われた女性が稀に妊娠するケースもあります。

無月経の原因によっては卵巣機能が復活する事もあるので、閉経だと決めつけずに不妊治療を行っているクリニックを受診しましょう。

2.早期閉経の場合の妊娠は困難であると考えられています

早期閉経とはなんらかの原因により、卵巣機能が完全に停止している状態の事を言います。

排卵がされないため妊娠するのは難しいと考えられていますが、稀に卵巣機能が復活する事例もあります。
早期閉経の不妊治療ではホルモン治療・体外受精などが行われます。

3.無月経は自然回復する可能性があるとされています

早期閉経と異なり、無月経は卵巣機能が休止している状態なので原因を取り除くことで自然回復する可能性があります。

不妊治療を要する場合は、ホルモン治療で正常な排卵を促します。

4.月経のリズムを改善するための食生活を心がけましょう

閉経は病気ではなく誰もがいつか経験することですが、早い年齢のうちに閉経を迎えてしまうと、妊娠が難しくなります。

日頃の食事から必要な栄養素を充分に摂り、月経のサイクルを正常に保てるよう心がけましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師