葉酸の摂取量ってどのくらい？

葉酸の摂取量は、本人の状態などによって変動します

葉酸をどれくらい摂取すればいいのかは、妊婦かそうでないか、妊娠前か妊娠後か、また出産後かなどで細かく変わっていきます。妊娠のために葉酸を摂取する場合は、通常の2倍以上の量が必要です。

また食事で摂取するのか、サプリメントで摂取するのかや、葉酸の種類によっても摂取量の計算が異なるため、過不足がないように注意しましょう。

葉酸は妊娠に関連して必要摂取量が変わります

葉酸の摂取量は、成人1日あたり240µgが目安と言われています。葉酸は体内で作ることができないため、食事やサプリメントで摂取しなければならない栄養素です。

日本人は平均して、1日の食事で300µgほどの葉酸を摂取できているとされているため、通常であれば不足を感じる機会はあまりない栄養素となっています。

しかしながらこの葉酸は造血や細胞分裂に関わることもあり、妊婦となると必要量が倍以上になってしまうのが特徴です。妊婦は赤ちゃんを育てるために血を使わなければならず、また赤ちゃんも大きくなるためには細胞分裂を活発に繰り返していく必要があります。

また生まれてからも母乳を出すために血が必要になることから、やはり葉酸が役立ちます。さらにこの葉酸は細胞分裂が正常に進むようサポートする役割があるため、赤ちゃんの先天異常にも役立つとされる栄養素です。

そのため妊娠した瞬間、できればその1ヶ月以上前から3ヶ月目までの初期ではもっとも多い摂取量となる1日あたり食事から240µg＋サプリメントから400µg、それ以降は出産まで480µg、出産後は340µgの摂取が推奨されています。妊娠予定のある人は覚えておきましょう。

葉酸は食事とサプリメントで利用効率が異なります

葉酸がとくに重要と言われているのは、先天異常を防止する妊娠初期の摂取です。その妊娠初期の摂取量において、あえて食事とサプリメントについて別々に目安量が記載されていることを疑問に思う人もいるかもしれません。

実は、葉酸は食事とサプリメントでは体内での利用効率が異なることからこのような記載になっています。葉酸は食事に含まれる天然葉酸と、サプリメントによく含まれる合成葉酸の2種類があります。

食事から葉酸を摂取した場合、食事に含まれる天然葉酸は体内で約半分しか利用することができません。その一方で合成葉酸は天然葉酸よりも多くの量を体内で利用することができます。

そして妊娠時に必要な葉酸を食事から摂取しようとすると、1日あたりほうれん草10株以上を食べなければならないなど大変な量になってしまいます。そのためサプリメントからの追加摂取が実質必要となります。

食事からの摂取とサプリメントからの摂取を同じように考えていると、葉酸の摂取量について計算違いをしてしまうため注意しましょう。

葉酸の摂取量は多すぎても害があります

薬ではなく栄養素であるとはいえ、必要以上に多く摂取すれば体に影響が出るケースもあるため注意が必要です。葉酸は過剰に摂取したからといって、なにか特別な病気にかかったり、命に関わる事態になったりするようなことはないと考えられています。

また水溶性ビタミンであることから、もしも大量に摂取してしまった場合でも、一度に体内で使い切れない分は尿に混じって排出されるような仕組みになっています。そのため過剰に心配する必要はありません。

しかし多く摂取する日が日常的に続くようになると、発熱・じんましん・めまい・吐き気・不眠症など、いくつかの過剰症と思われる症状が出ることがあります。

また妊婦においては1日に900～1000µg以上の葉酸をずっと摂取していることで、生まれた赤ちゃんが将来小児ぜんそくにかかるリスクを高めてしまうと言われています。このぜんそくに関しては、妊婦やその子供を対象に調査したデータがある一方で、否定する意見も出ており、根拠についてもはっきりしていません。

しかしもし今後妊娠の予定があるなら、あるいは今妊娠しているのなら注意した方がよいでしょう。

（まとめ）葉酸の摂取量ってどのくらい？