体外受精での男女比率は若干男児が多くなる傾向があるとされています


2014年の研究結果としてイギリスで発表された論文によると、体外受精を行った場合の男女の比率は、男児が52.05%と若干女児よりも多いという結果です。

イギリス全体の男児の割合、人工授精での出産における男児の割合が共に51.27%であるため、体外受精だから男児が生まれやすいというものではないことを示唆していると言えるでしょう。

体外受精で生まれる男女比率は自然妊娠や人工授精時と大きな違いはありません

体外受精で誕生した赤ちゃんのデータの統計を取り、男女比率がどのくらいになるのかを研究すると、男女の比率は、若干男児の方が多い(=生まれやすい)傾向になるという結果が出ています。

一見すると、体外受精は男児が生まれやすいという結論に至りそうなものですが、そればかりを強調したのでは説明不足であると言えるでしょう。

体外受精に限らず、自然妊娠や人工授精の場合でも、体外受精と同じく若干男児が生まれやすいという結果が出ており、その数値そのものも体外受精と大きく離れるものではありません。

体外受精は女性から取り出した卵子に、男性の精子を振りかけることで受精を導きます。
人口受精の場合は、女性の身体から卵子は取り出さず、体外で採取した精子を女性の体内に戻します。

いずれも受精しやすいようにサポートはするものの、受精する環境としては似ており、受精する時に精子が自然淘汰されるものです。
体外受精だから男児が生まれやすいというわけではなく、受精の際に精子が自然淘汰された場合、男児が誕生しやすいと言い替えることができるかもしれません。

体外受精の胚盤胞受精では受精卵の発育スピードが関係しています


体外受精では、受精卵はグレードの検査が行われ、グレードのよいものから優先的に体内に戻します。
体内に戻す受精卵は成熟度合いによって初期胚と胚盤胞と呼ばれる2種類の状態があります。

初期胚とは、受精後1~2日で受精卵が2~4分割になった状態の受精卵を指し、胚盤胞とは受精から5~6日経過し、さらに成熟した状態の受精卵を指します。
体外受精の中でも胚盤胞を体内に戻した際に、男児が生まれる可能性が若干高いとされていますが、これには理由があるとされています。

胚盤胞のグレードを決める時のポイントのひとつとして、受精卵の成長スピードをチェックする項目があります。
成長スピードが速いものは、着床する可能性が高いとされ、1~6段階に分けられます。

この数字は体内に戻す受精卵を決める際に重要視され、グレードにも大きく関わります。
基本的に男児の受精卵は成長スピードが速いとされています。

そのためグレードの数字が高くなる傾向にあり、体内に戻す確率が女児よりも高くなるため、体外受精での男児の比率を上げている原因の1つになっているのではないかとされています。

日本では体外受精時の男女の産み分けはパーコール法しか認められていません

体外受精を行う場合は、男女の産み分けも可能だという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

体外受精を行う際は、着床前診断と言って、夫婦のどちらかに遺伝子疾患があり、子どもにも病気や症状が遺伝する恐れがある場合に限り、受精卵に遺伝子疾患などの異常がないかを確認することができます。
一方、着床前クリーニングという方法では、受精卵の染色体に異常がないかをチェックすることができます。

その際に受精卵の染色体を細かい部分まで精査することになるため、移植する受精卵の性別も分かるとされていますが、日本では着床前スクリーニングを行い、男女の産み分けを行うことは認められていいません。

日本で男女の産み分けを行いたい場合は、パーコール法という方法が採用されています。
パーコール液と呼ばれる分離試薬に精子を重層して、遠心分離機にかけ重さによって精子を選別し、男女を産み分けると言う方法です。

パーコール法での男女の産み分け成功率は50~75%程度だとされています。

(まとめ)体外受精で生まれる男女比率はどのくらい?

1.体外受精での男女比率は若干男児が多くなる傾向があるとされています

体外受精で誕生した赤ちゃんの男女比は、若干ながら男児が多いという程度で、男女比に大きく差があるわけではありません。

自然妊娠や人工授精の場合でも同じ様な結果が出ています。

2.体外受精で生まれる男女比率は自然妊娠や人工授精時と大きな違いはありません

受精の際に精子が自然淘汰される環境であれば、体外受精でも、人工授精でも自然妊娠においても、統計的には、男児の方が女児よりも生まれやすい傾向にありますが、その差は大差ではありません。

3.体外受精の胚盤胞受精では受精卵の発育スピードが関係しています

胚盤胞のグレードを決める時には、受精卵の成長スピードが重要視されます。

男児の受精卵は成長が早い傾向にあり、男児の受精卵が移植される確率が高いのではないかとされています。
結果的に体外受精の男児率にもつながっていると考えられます。

4.日本では体外受精時の男女の産み分けはパーコール法しか認められていません

男女の産み分けを確実に行いたいと願う人もいますが、日本では着床前クリーニングで男女を産み分けることは認められていません。

日本ではパーコール法と呼ばれる方法でのみ男女の産み分けが認められていますが、成功率は50~75%とされています。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師