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おりものは卵子の排卵期や体調のチェックに役立ちます
おりものが出るようになったら初潮が来る前兆と言われるように、おりものと妊娠は深い関係があります。おりものはホルモンバランスの影響を受けて様子が変わるため、おりものを見ることで卵子がいつ排卵されるのかを予測することもできるのです。
自分でも気づいていない細かな体調を教えてくれることもあるため、おりものの様子には気を配りましょう。
おりものにはさまざまな役目があります
下着を汚してしまうおりものの存在をわずらわしく思う女性も少なくないでしょう。しかしおりものは女性が妊娠するために大切なさまざまな役目を持っています。
おりものの正体は膣内や子宮から出る分泌物で、膣や子宮に菌が侵入しないように防いでくれているのです。また膣や子宮の古くなった細胞を老廃物として押し流して掃除してくれる役目もあります。
膣や子宮といった妊娠に必要な器官を綺麗に保ってくれているというわけです。
それだけでなく、妊娠するにあたっては、そのとろみによって精子が卵子のもとまで到着しやすいように運動をサポートしたり、精子が酸性の膣内で死んでしまわないようにアルカリ性に傾いて保護したりしてくれます。
またおりものの中には子宮頚管というところから分泌された頚管粘液が含まれています。
この頚管粘液は普段、子宮頚管の中を閉ざして精子をシャットアウトしているものの、排卵期だけ粘度が変化し精子を通りやすくしているのです。
おりものは排卵のタイミングを教えてくれます
不妊に悩む人にとって、おりものが一番役に立つのは排卵日をチェックしたい時かもしれません。おりものは女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの影響を受けて、生理周期に合わせて変化します。
生理周期が安定しない人であっても排卵日の目安をつけやすいため、基礎体温とともにグラフに記入しておくと役立つでしょう。
おりものは生理開始後3日まではほとんど出ませんが、生理が終わり、排卵期が近づくにつれて徐々に量や粘度を増していきます。
排卵期は生理が28日周期の人の場合、生理開始から14日目が基本です。おりものの量が増え、卵の白身のような透明なゼリー状になり、つまむと長く伸びるようになったら排卵期が来た知らせとなります。
精子と卵子の寿命の関係から、排卵日が来てからではなく、排卵日3日前~当日にかけて性交することで、より妊娠の確率を高めることができるはずです。
排卵期を過ぎ、妊娠していなければおりものの量は生理開始日まで徐々に減っていくのが普通です。
一方で妊娠している場合は女性ホルモンのバランスが変わり、おりものの量が減らなかったり、多くなったりすることがあります。
おりものに異常がある時は病気の可能性もあります
もう1つ、おりものの大切な役割に病気のサインがあります。おりものの色がいつもと違ったり、変なにおいがしたり、あるいは量が異常に多いもしくは少ないという場合には、なんらかの病気になってしまっているのかもしれません。
たとえば不妊に悩んでいる人の中にはおりものの量が他の人よりもとくに少なく、膣内の潤いが足りずに菌が侵入してしまって炎症を起こしている場合があります。
また大量の水っぽいおりものが出る時はクラミジア感染症を引き起こしていたり、黄色いおりものが出る時は淋病になっていたりすることがあります。
あるいはカッテージチーズやクリームのようなおりものが出た場合はカンジダ膣炎が疑われます。
その他にも、血が混じったり赤褐色になっていたりする場合は子宮頚がんなどの疑いもあるため、おりものの様子には注意を払った方がよいでしょう。
ただしおりものの状態は個人差が出やすく、たとえば他の人より多かったからといって必ずしも病気や異常があるわけではありません。大切なことは自分のいつもの状態と比べてどうかということです。
普段からおりものの変化の様子をよく見ておいて、いつもと明らかに違うと思ったら病院に相談してみましょう。
(まとめ)卵子とおりものはどんな関係があるの?
普段なにげなく出ているおりものは、妊娠のための体の変化を教えてくれるバロメーターでもあります。
ホルモンバランスによって様子が変わるため、排卵日の予測にも役立つでしょう。
おりものは子宮や膣への細菌の侵入を防いだり、老廃物を押し流して掃除したり、精子の活動をサポートしたりと、女性が妊娠しやすく健やかな体を保つためにさまざまな役割を果たしてくれています。
わずらわしいかもしれませんが大切な存在です。
とくに不妊治療で役に立つのは、排卵日のチェックです。おりものは女性ホルモンの影響を受けて、量や粘度が少しずつ変化していきます。
排卵日が近づくと卵の白身のようなゼリー状になるため、排卵日前を狙うことで妊娠しやすくなるでしょう。
おりものは実は病気になっても様子が変化します。おりものの量が極端に少ない、多い、また変なにおいがするとか、黄色や赤褐色など普段と違う色がついている場合など、病気の可能性があります。
おりものは個人差も出やすいため普段から注意しましょう。