不妊症とは妊娠できない症状を指します


不妊症と聞くとそれそのものが病気なのかと思う人もいるかもしれません。しかし不妊症は「妊娠できない」という症状のことを指すため、病気というわけではありません。

実際なんらかの病気が原因で不妊症になることもあれば、病気でないのに不妊症になることもあります。まずは病院で検査し、不妊症の原因を探っていくことが大切です。

不妊症の定義が決まっています

不妊症にはきちんとした判断基準があります。不妊症とされる定義は、「1年以上、避妊しない状態で定期的な性交渉があるにも関わらず、妊娠していないこと」です。

つまり不妊症であるからといって、必ずしも他の病気のように健康診断で発覚したり、体調不良を感じたり、他になんらかの症状が出たりするわけではありません。一見健康であっても、不妊症である場合もあるのです。

そのためもし結婚して1年以上、赤ちゃんがほしいのに授かっていないという場合はできるだけ早く病院へ行くべきでしょう。

一般的には、不妊症でないのであれば1年で90%の夫婦が、2年では100%の夫婦が赤ちゃんを授かると言われています。

人によっては、結婚して何年も経ってから妊娠しないことに不安を感じ始め、病院を受診するケースも少なくありません。しかし不妊治療には時間がかかる上に、女性が妊娠できる時間は限られています。

最悪、不妊治療を開始しても妊娠できないままという可能性も出てきてしまうため、治療は早めに開始することが大切です。

不妊症の原因の確率は男性、女性半々です


そもそもなぜ不妊症になってしまうのでしょうか。不妊症の原因は病気から日頃の生活習慣までさまざまなものがあります。

また男性と女性どちらに原因があるかは、半々の確率と言われています。もちろん、中には両方に原因がある可能性もあるでしょう。

たとえば夫婦どちらかに自覚症状があったとしても、検査を受けた結果、実は夫婦ともに不妊症の原因を持っていたということもあります。そのため不妊症の検査を受ける場合は、夫婦揃って受けることが重要です。

不妊症の主な原因としては、毎月の排卵がうまく行われていない排卵障害や、受精卵が通る卵管が塞がってしまうなどの卵管障害、男性の無精子症や性機能障害などがあります。

そしてそれらの原因のさらに原因となるものまで突き詰めていくと、不規則な生活習慣や飲酒喫煙、肥満や痩せすぎ、ストレスなどが深く関わっていることがあるのです。

不妊症となった場合、病院で治療を受けることになるはずです。しかし多くの病気は投薬などで治すことができますが、ストレス・肥満・喫煙などの習慣を改善するには、本人の努力が必要です。

不妊症を作ってしまう悪い習慣に対しての理解を深め、一つひとつ確実に改善していくことが不妊症から脱出するための近道といえます。

不妊症の最大の敵は加齢です

不妊症の原因には、病気や生活習慣など、本人の意識である程度治療したり、予防したりすることができるものが多くあります。しかしそんな中本人の意識ではどうにもならないものが1つだけあるのです。

それが本人の加齢になります。

一般的に、35歳以上の出産は高齢出産として扱われ、妊娠や出産のリスクが高くなることで知られています。

しかし肉体的にはまだまだ働き盛りともいえるこの年齢で、なぜこんなにも妊娠や出産が厳しくなるのか、不思議に思う人もいるかもしれません。

実は、とくに女性の持つ卵子の質は、加齢とともに衰えていきます。女性は生まれた時に一生分の卵子をすでに体内に保持しているのです。

そのため女性が年を重ねると同様に卵子も老化して、機能が失われやすくなってしまいます。

その結果、年をとった卵子は精子と出会っても受精卵になりにくかったり、流産や染色体異常によるダウン症の子供が生まれる確率を高めてしまったりするのです。

卵子をほぼ使い切ってしまえば、女性は閉経となり妊娠することができません。そのため不妊症を治したいなら卵子の質が落ちる前に治療を開始することが重要です。

なかなか妊娠できないと感じたら、何年も悩むのではなく病院へ行きましょう。

(まとめ)不妊症とはどんな病気なの?

1.不妊症とは妊娠できない症状を指します

不妊症は妊娠できないことそのものを指すため、特定の病気というわけではありません。

不妊症は病気が原因で起きることもあればそうでないこともあるため、まずは病院で検査することが重要です。

2.不妊症の定義が決まっています

1年以上、避妊せずに定期的な性交渉を行っていても妊娠できない場合に不妊症と定義されます。

一見健康であっても不妊症という場合もあるため、結婚してからの年数や体の調子ではなく妊娠できていない期間で判断するのが適切です。

3.不妊症の原因の確率は男性、女性半々です

不妊症の原因は女性、男性、あるいはその両方にあると言われているため、夫婦揃っての検査が大切となります。主な原因としては、排卵障害・卵管障害・無精子症・性機能障害などが挙げられるでしょう。

生活習慣が関わってくるため、治療は本人の努力も必要です。

4.不妊症の最大の敵は加齢です

不妊症は健康であっても徐々に確率が高まります。加齢によって、卵子の質が落ちていくからです。卵子の質が落ちていくと受精卵になりにくかったり、妊娠・出産までの過程のどこかで異常が出たりします。

卵子の質が落ちる前に治療を開始しましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師