不妊治療で赤ちゃんの性別の産み分けは認められていません


不妊治療において赤ちゃんの性別の産み分けは海外では行われていますが、日本では認められていません。
赤ちゃんが誕生する過程において性別がどのように決められるのかについては、科学的に解明されているため、技術上では産み分けが成功する可能性があります。

しかし倫理上の観点から、日本では単に「男の子が欲しい」、「女の子のほうがよい」といった安易な希望によって産み分けを行うことはできません。

一部のクリニックでは産み分けの希望者を受け入れているところもありますが、日本産婦人科学会の指導にもとづいて、遺伝問題がある場合のみと限定していることがほとんどです。

女の子を産み分けるパーコール法の実施は医師によって見解が分かれます

パーコール法とは不妊治療を行う前に精液から奇形精子や不要な物質を取り除き、質の良い精子だけを選んで濃縮するという、精子調整法です。
女の子を産み分ける方法として、不妊治療専門のクリニックなどでパーコール法を実施することがあります。

2006年4月まで確実な安全性が認められないという理由から、重い遺伝性疾患を回避する場合を除き、日本ではパーコール法の実施が禁止されていました。
しかし重篤な副作用が起きていないことから、それ以降は法律上全面的に禁止されているという状況ではなくなりました。

とはいえ単なる産み分けを目的とする場合でのパーコール法の実施は容認されていません。
パーコール法の実施については医師の考え方によるところも大きく、医師の間でも意見が分かれています。

インターネット上などで男女の産み分けについてさまざまな意見が見られるのも、医師によって見解に違いがあるためです。
不妊治療での産み分けでは、倫理上の問題を避けて通ることができないことを頭に置いておきましょう。

パーコール法で女の子を産み分ける仕組みについて知りましょう


賛否両論があるとはいえ、パーコール法が女の子を産み分けるための方法として存在していることは紛れもない事実です。
パーコール法によってどのように産み分けが行われるのかについて知っておくことは、なぜ認められていないのかを考えるうえでも、とても大切なことと言えるでしょう。

パーコール法はパーコール液の中に精子を入れ、遠心分離器にかけることで精子を選別できるのです。
赤ちゃんの性別はX染色体とY染色体の組み合わせによって決定されますが、卵子はX染色体だけを、精子はX・Y染色体のいずれかを持っています。

つまり、卵子(X染色体)とX染色体をもつ精子が受精すれば「XX」で女の子、卵子とY染色体をもつ精子が受精すれば「XY」で男の子が生まれるということです。
Y染色体をもつ精子よりもX染色体をもつ精子の方が質量が重いため、遠心分離器の下にたまるのはX染色体をもつ精子ということになります。

このX染色体をもつ精子を選別して不妊治療に用いることで、女の子が生まれる可能性が高くなると考えられています。
ただしあくまでも自然妊娠より可能性が高まるということであって、産み分けが100%成功するというものではありません。

精子を遠心分離器にかけても完全に分離することが難しいため、成功率は65%前後であるとも言われています。

不妊治療での着床前診断による産み分けを行うことはできません

着床前診断は不妊治療で受精が成功した後に、染色体や遺伝子に異常がないかを調べるための検査になります。
この検査の段階で産まれてくる赤ちゃんの性別をコントロールし、産み分けを行うことは技術上では可能であり、成功率はほぼ100%とも言われています。

しかし日本では、重い遺伝子疾患を持った赤ちゃんが生まれる可能性が高い場合を除いては、着床前診断による産み分けは禁止されているのです。
このような実状から、現段階では高い成功率を誇る産み分けの方法はないと言ってよいでしょう。

一部のクリニックでは医師の見解に基づき、リン酸カルシウムの服用や性交日の指定などによって産み分けを試みているところもあります。
しかしながら産まれてくる赤ちゃんが男の子であれ女の子であれ、大切な命であることに変わりはありません。

性別で分け隔てることなく、授かった赤ちゃんに愛情を注いであげるという倫理観が大切と言えるでしょう。

(まとめ)不妊治療で産み分けをすることはできる?

1.不妊治療で赤ちゃんの性別の産み分けは認められていません

不妊治療において赤ちゃんの性別の産み分けですが、日本では原則として認められていません。

産み分けの希望者を受け入れているクリニックでも、日本産婦人科学会の指導に基づき、遺伝問題がある場合のみと限定しています。

2.女の子を産み分けるパーコール法の実施は医師によって見解が分かれます

パーコール法とは不妊治療を行う前に精液から奇形精子や不要な物質を取り除いて、質の良い精子だけを選別し濃縮するという精子調整法です。

パーコール法の実施については医師によって見解が大きく分かれており、倫理上の問題を避けて通ることはできません。

3.パーコール法で女の子を産み分ける仕組みについて知りましょう

パーコール法は精子を遠心分離器にかけることによって、X染色体をもつ精子とY染色体をもつ精子とに分離するという方法です。

不妊治療ではこの選別した精子を使用することで産み分けを試みますが、必ずしも産み分けができるわけではありません。

4.不妊治療での着床前診断による産み分けは、行うことができません

着床前診断での産み分けは成功する可能性が高いですが、現段階では着床前診断での産み分けは原則禁止となっています。

性別で差別することなく、授かった赤ちゃんを大切に迎えてあげることが大切です。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師