不妊治療でパーコール法による産み分けは技術上では可能です


不妊治療においてパーコール法によって男女の産み分けをすることは、技術上では可能だと言えます。
安全性の確立ができていないという理由から、かつて日本産科婦人科学会では男女の選別だけを目的とした産み分けを認めず、遺伝性疾患に限定して認めていました。

パーコール法が国内外に広まってきたことと、これまで重篤な副作用が起きていないことから、使用を認めないという見解はその後撤回されています。

しかし倫理上の理由から、パーコール法による不妊治療が推奨されているわけではなく、医師の裁量に委ねられています。

パーコール法では精子をX精子とY精子に選別します

パーコール法では採取した精子を遠心分離器にかけて、X精子とY精子に分けることで男女の産み分けを試みます。

精子にはX染色体を持つX精子と、Y染色体を持つY精子がありますが、X精子が女の子に、X精子が男の子になるための精子です。

この2種類の精子は重さが異なり、Y精子に比べてX精子の方が重たいため、パーコール液に採取した精子を入れて遠心分離器にかけると、上にいるのがY精子、下にいるのがX精子となります。

このように採取した卵子と精子をそれぞれシャーレに乗せて、体外で受精・培養してから再び体内に戻します。

X染色体とY染色体の組み合わせによって赤ちゃんの性別が決定されますが、自然妊娠の場合、どちらの性別になるかはそれぞれ50%の確率です。

パーコール法はX精子の重さを利用し、X精子だけを抜き出す方法であるため、女の子を望む方に有効であるとされています。

ただし女の子が産まれる確率は100%でなく、日本での成功率は70~80%ほどと言われています。
また着床前診断による産み分けは日本産婦人科学会より禁止されています。

パーコール法にはメリットとデメリットがあります


どんな治療にも言えることですが、パーコール法にもメリットとデメリットが存在します。
赤ちゃんの産み分けを希望する方は少なくありませんが、まずはどのようなメリットとデメリットがあるのかを知ることが大切です。

パーコール法のメリット

パーコール法は人工授精の技術を利用したものなので、自然妊娠が困難な方でも子供を授かる可能性があります。
これまでのところ重篤な副作用が起きた事例がなく、安全性が高いと言えます。

パーコール法のデメリット

パーコール法には確実に産み分けられるという保証がなく、女の子が産まれることもあれば、男の子が産まれることもあります。

希望する性別の精子だけを採取するため、子宮に注入する精子の数が半減してしまい、通常の人工授精と比べて妊娠する確率が下がってしまうことになります。

また人工授精は不妊治療に当たるため、産み分けを希望しても不妊症でない方は受けられない場合があります。
遺伝子疾患などの理由でないのであれば性別にこだわらず、通常の人工授精を選択した方が妊娠する確率が高まります。

パーコール法には状態のよい精子を回収するという目的もあります

パーコール法には男女の産み分けをするという以外にも、良質な精子だけを選別して人工授精を行うという目的があります。

採取した精液は洗浄・濃縮され、パーコール液に入れて遠心分離器にかけられますが、産み分けが目的ではないので染色体による選別はされません。

遠心分離器にかけられた精液は状態のよくない精子、状態のよい精子の層ができるので、下に沈んだ良質な精子だけを選んで子宮に注入します。

こうして未熟な精子や奇形の精子、死んでいる精子などを取り除くことで、タイミング法よりも高い確率で妊娠が望めると考えられています。

人工授精は不妊治療の中でも、時間的・身体的負担が少なく周期ごとに受けることも可能です。

不妊症の原因によっては体外受精へとステップアップすることもできるので、医師に確認しながら治療を受けるようにしましょう。

パーコール法は産み分けだけを目的とするのではなく、良質な精子を選別するための不妊治療であることを知っておいてください。

(まとめ)パーコール法で不妊治療を受けると産み分けができる?

1.不妊治療でパーコール法による産み分けは技術上では可能です

パーコール法による産み分けは技術上可能ですが、かつては遺伝性疾患を除き、日本産科婦人科学会から認められていませんでした。

重篤な副作用が起こらずパーコール法が国内外に広まったことから、規制が緩和され、医師の裁量に委ねられています。

2.パーコール法では精子をX精子とY精子に選別します

パーコール法では採取した精子をパーコール液に漬け、遠心分離器にかけてX精子とY精子の選別を行います。

女の子になるX精子の方が重いという特徴を利用した方法であるため、女の子が産まれる確率が高いと言われています。

3.パーコール法にはメリットとデメリットがあります

パーコール法は安全性が高いとされていますが、不妊症でない方は受けられない可能性があり、確実な産み分けも保証されていません。

性別にこだわらず、授かった赤ちゃんを喜んで迎えてあげるという気持ちも必要です。

4.パーコール法には状態のよい精子を回収するという目的もあります

パーコール法は産み分けだけが目的ではなく、状態のよい精子を抜き出すという目的を持っています。

状態の悪い精子を取り除くことでタイミング法よりも妊娠が成立しやすく、不妊治療の現場において広く採用されています。

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師